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犬や猫のノミ・ダニ予防の重要性とその原因や症状、診断・治療法を獣医師が徹底解説!

川崎市・横浜市近隣のみなさん、こんにちは!
川崎市のアルフペットクリニックです。今回は、犬や猫にとって非常に重要なノミやダニの予防について、その原因や症状、一般的な診断、治療の流れについて獣医師が詳しく解説していきます。これからペットのノミ・ダニ予防を始める方にも、予防に必要な知識をお伝えできればと思います。ペットの健康を守るために、ぜひ最後までお読みください!
1.ノミ・ダニの原因
ノミやダニはペットにとって非常に不快で、健康にも悪影響を与える可能性があります。これらの寄生虫がどこから来るのか、その原因について見ていきましょう。
(1) ノミの原因
ノミは、野外や他のペットから感染することが多いです。ノミは成虫になると、ペットの皮膚に寄生して血を吸うため、痒みや炎症を引き起こします。また、ノミは卵を産んで床やカーペットに落とし、その卵が孵化して幼虫となり、成虫になるまでに時間がかかります。外に出ることが多い犬や猫は特にノミに感染しやすく、外出しない室内飼いのペットでも、他の動物や飼い主が持ち込むことがあります。
(2) ダニの原因
ダニは、特に草むらや森林などの自然環境に多く生息しており、ペットが散歩などでこういった場所に行くことが原因で感染します。ダニはペットの皮膚に食いつき、血液を吸うことで成長します。ダニはまた、感染症を引き起こす可能性があり、例えば「バベシア症」「ライム病」「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」など、人や動物に深刻な健康被害を与える病気を媒介します。
2.ノミ・ダニの症状
ノミやダニに感染すると、ペットにはさまざまな症状が現れます。早期に発見するためにも、飼い主が注意しておくべき症状について解説します。
(1) ノミによる症状
- かゆみや炎症: ノミが皮膚に刺さって血を吸うことで、ペットは強いかゆみを感じます。ペットが頻繁に体を掻いたり、かじったりする姿を見たら注意が必要です。
- 毛の抜け: ノミが皮膚に寄生することで、掻いたり舐めたりすることが原因で毛が抜けることがあります。特に、背中や尾の付け根部分で抜け毛が見られることが多いです。
- ノミのフン: ノミが寄生している証拠として、ノミのフン(小さな黒い粒)を皮膚や毛の中に見つけることがあります。フンはノミが吸った血液を消化したものです。
(2) ダニによる症状
- 皮膚の腫れや赤み: ダニが皮膚に食いつくと、その部分が腫れて赤くなり、痛みを伴うことがあります。腫れがひどくなると、膿が溜まることもあります。
- 歩きにくさや元気の低下: ダニが大量に寄生したり、感染症を引き起こしたりすると、ペットは元気をなくし、歩くのが難しくなったり、食欲がなくなったりします。
- 感染症の症状: ダニが引き起こす感染症(例えば、バベシア症)では、発熱、元気喪失、黄疸(目や皮膚が黄色くなる)、食欲不振などの症状が現れることがあります。
3.ノミ・ダニの診断の流れ
ノミやダニの感染が疑われる場合、動物病院で診断を受けることが重要です。診断の流れは以下のようになります。
(1) 症状の確認
診察では、まずペットがどのような症状を示しているかを飼い主から聞き取ります。ペットが掻いている、舐めている、毛が抜けているなどの症状がある場合、ノミやダニが関係している可能性があります。
(2) 視診と触診
獣医師はペットの体を確認し、ノミやダニがいるかをチェックします。特に耳の中やお腹、足の裏などはノミやダニが寄生しやすい部分です。
(3) 皮膚の検査
必要に応じて、皮膚を拭いたり、毛を少し剃ったりして、ダニやノミの有無を確かめます。また、ノミのフンが見つかれば、それを顕微鏡で確認することもあります。
(4) 血液検査(必要な場合)
ダニが原因で感染症が疑われる場合、血液検査を行って病気の有無を調べることがあります。特に、バベシア症やライム病などの感染症は早期発見が重要です。
4.ノミ・ダニの治療の流れ
ノミやダニに感染した場合、適切な治療を行うことが必要です。治療の流れは以下のようになります。
(1) ノミ・ダニ駆除薬の投与
ノミやダニを駆除するために、適切な薬を使用します。これには、内服薬、スポットオン薬(滴下薬)などがあります。特に、内服薬は複数の有効成分が含まれているためよく効きます。
(2) 皮膚のケア
ノミやダニによるかゆみや炎症がひどい場合は、抗炎症薬やかゆみ止めを使うことがあります。また、皮膚が傷ついている場合には、抗生物質や消毒薬で治療を行うことがあります。
(3) 環境の清掃と予防
ペットがノミやダニを外部から持ち込んだ場合、その環境にも注意が必要です。家の中やペットの寝床をしっかりと掃除し、ノミやダニが繁殖しないようにしましょう。また、環境用の駆除スプレーを使うこともあります。
(4) 予防薬の投与
ノミやダニの再発を防ぐために、定期的に予防薬を投与することが重要です。月に1回程度の頻度で予防薬を使用し、ノミやダニの感染を予防することができます。
5.まとめ
ノミやダニは、ペットにとって非常に不快で、健康に深刻な影響を与えることがあります。これらの寄生虫を予防することは、ペットの健康を守るために非常に重要です。定期的な予防薬の使用や、ペットの生活環境の清掃を行うことで、ノミやダニから守ることができます。もし、ペットにノミやダニが見つかった場合は、早期に治療を開始することが大切です。
当院では、ノミ・ダニ予防についても相談を受け付けておりますので、気になることがあればいつでもご相談ください。ペットの健康を一緒に守っていきましょう!